暗黒魔王と新人魔王、2柱の魔王でお送りする『あんしん魔王講座』は、『でたとこサーガ』をより楽しく遊ぶため、さまざまな悩みに答えるサポート記事です!
第四回目のテーマは「オリジナルシナリオを作ろう」 。ルールブックや雑誌掲載の公式シナリオで遊ぶのも楽しいものですが、演出してみたいシチュエーションやシーン、設定があるなら、自分オリジナルのシナリオが一番です。そこで、今回はズバリ「オリジナルシナリオ」の手軽な作り方をご紹介します!
(文:神谷涼、イラスト:グラゲイダー)
「無事、サプリメントも発売されたな。表紙やリプレイには余も登場しておるぞ!」
「うーんうーん……」(悩)
「ははは、そなたは登場できなんだが、気に病む必要はない! 次のサプリメントでは、きっと登場できるであろう!」(バーン)
彼女が勝手に言っているだけです。
公式の発表ではありません。
「違いますよぉ……次のGMで困ってるんです」
「ん? 先日のGMは、上手く行ったと聞いておるぞ」
「それなり、ですけど」(恥)
「それなりでよかろう。完璧なセッションなどそうそうない」
「いえ、それはそうなんですが……」(汗)
「また煮え切らぬな……何が問題なのだ?」
「その、付属のシナリオでしか遊んでいませんし、そろそろシナリオを作りたくて……」
「おお、よいではないか。オリジナルのシナリオなら、GMとしての達成感もなおさらであろう」
「はぁ。でも、それがなかなかできなくて……ラスボスと目的は一応、決めたんですけど」
「何、ラスボスと目的さえあれば何とでもなるものだ」
「でも、世界観とか考えないといけないんじゃ……」(汗)
「最低限以外はPLに任せてしまえ。セッションはPLと協力して行うもの。GMが一人で背負いきらずともよい」
「いいんですか?」
「よいのだ!」(ババーン!)
「じゃあ、後は敵の配置を……」
「おお、そこは公式シナリオを流用してしまってもよいぞ」
「はい?」
「だから、公式のシナリオの敵配置をそのまま使うのだ」
「えっと、でも、それじゃオリジナルには……」
「何、流用するのは各タイプの敵NPCの数のみだ」
「ええっと?」
「たとえば、余のシナリオ『暗黒魔王降臨!』ならば、余や『謎の賢者』『大蜘蛛』『騎士』『スケルトン』などを別の敵NPCに変えるのだ」
「確かに、最初から敵の戦力を計算するより簡単ですけど……いいんですか?」
「案外わからぬものだぞ。たとえば余を中ボス、ラスボスを『謎の賢者』、ノーマルとモブを適当に入れ替えて……国王の『謎の賢者』が余の黒幕とすれば、まるで違うシナリオであろう?」
「なるほど……」
「ま、データは比較的いじりやすい部分でもある。少しアレンジして、敵のレベルや数をいじってもよかろう」
「?」(首かしげ)
「モブを減らして他のレベルを上げたり、逆にレベルを下げてモブを増やしたりするのだ」
「ははぁ……あっ、敵NPCのレベルっていくら下げても最低1なんですね。じゃあ、中ボスとノーマルを1にして、モブはなくして1レベルのノーマルを大量に……」
「やめぬか!」(げし)
「ええー。ルール通りじゃないですかー」(ぶー)
「そう言う問題ではない。協力してセッションを作れと言っておろう。PLを苦しめる目的で敵を組むでない」
「だってー」(むー)
「その辺りも含めて、極端なアレンジはせずに公式シナリオから流用を勧めておるのだぞ」(ため息)
「わかりましたよー。それじゃ数はそのままにしますー」(ちぇー)
「無論、公式シナリオのバランスに問題を感じた場合、無理に使い続ける必要はないぞ。ある程度セッションを重ねれば、適度な敵の数が感覚として理解も出来るはずだ」
「じゃあ……しかるべき敵を配置しましょう。私のラスボスにふさわしい手駒を……」(ゴゴゴゴ)
「魔王向きではある……魔王向きではあるのだがなぁ」(汗)
魔王として、また一歩成長した新人魔王!
GMとしても成長しれくれる日を期待しつつ、シナリオ作成の詳細に関わる次回に続く!