暗黒魔王と新人魔王、2柱の魔王でお送りする『あんしん魔王講座』は、『でたとこサーガ』をより楽しく遊ぶため、さまざまな悩みに答えるサポート記事です!
第三回目のテーマは「お手軽セッション応用編」。お手軽セッションって何?という方は第2回をご覧ください。新人魔王のように暴走はいけませんが、GMは担当してみると夢中になる楽しさがあります。ぜひ『でたとこサーガ』のGMを楽しんでみてください!
(文:神谷涼、イラスト:グラゲイダー)
「どうだ? 一対一のセッションには慣れたか?」
「慣れたかどうかはわかりませんが……何度か、やってみましたっ」
「ま、戦闘ルールさえわかっておれば、できるからな。気軽に何度でもやってみるがよい」
「ただ、やっぱり『聖王女』さんみたいな、サポートタイプのキャラクターは使いにくいですねー」
「誤解を招く言い方をするでない! 連携前提のキャラクターであるからな。あくまで一対一という変則的なセッションでは使いにくい、ということだ」
「すみません……でも、とりあえず一対一では使えないですよね? 『守護竜』さんと戦っても負けちゃいますし……」
「ふむ。では、今回は少し応用した遊び方を教えてやろうではないか」
「応用? 人数を増やすんですか?」(首かしげ)
「それでは、普通のセッションではないか。今回もあくまで手軽に、一対一のセッションだ」
「はぁ……どうするんでしょう?」
「ふふん。サンプルキャラクターではなく、敵NPCを使うのだ!」
「敵NPC……ですか。GMっぽいですね……」
「敵NPCで練習すれば、戦闘の加減もつかめよう。相手に合わせ、様々な組み合わせで戦ってみるがよい」
「でも、敵NPC相手でもサポートタイプはやっぱり使えないんじゃないですか?」
「そうでもないぞ。『モブ』や、非戦闘型の『ノーマル』なら十分相手にできよう」
「確かに、その程度なら……」
「一方がモブを複数使ってみるのもよいな。GMをするなら複数のキャラクターを管理するのだ。その訓練と思えばよい」
「そういえば、そうですね」
「複数の『モブ』や『精鋭モブ』を相手させてみたり、『ボス推奨』から選んでもよい。相手に合わせた組み合わせを知るのだ!」
「あっ、敵NPC同士で対戦したりも面白そうですねっ」
「うむ! 元より余が『ラスボス』のシナリオもあるのだ。PCと敵NPCの差など、なきに等しい。敵NPCの性能を知っておくにもよかろう」
「なるほど……大量のサンプルキャラだと思えばいいんですね」
「その通りだ。セッションまでに日があるなら、参加する各PCと一度ずつ対戦しておくのも、ルール説明を兼ねられてよいぞ」
「そうですね! それならGMでも失敗が減りそうです!」
「各PCの取り柄、活躍できる場所を把握しておけば、GMとしても敵の構成を決めやすかろう。サンプルキャラクター同士の対戦より、実践的なGM経験となるぞ」
「わかりました! やってみます!」
「その意気だ!」
「とりあえず、戦闘タイプ相手ならウィスプ2体とスライム1体くらいで……(ぶつぶつ)」
ウィスプは倒されると自爆で体力を削ってくるモブ。
スライムは攻撃力こそ低いが、持続ダメージを与える上、再生能力を持つノーマルである。
「お、おい待て(汗)」
「どうしました?」(ゴゴゴゴ)
「対戦とはいえ、敵NPC側を選択して使うならGMの姿勢でなくてはいかん! 一方的に強い敵をぶつけ、勝てばいいわけではないぞ!」
「えー、対戦は対戦じゃないですか」(むー)
「あくまでPCを活躍させるための模擬戦であろう。そういった戦いがしたければ、互いに同じ戦力の敵NPCをぶつけあって対戦せよ」
「うう……せっかく圧倒的な戦力を使えると思ったのに……」
「GMとして、相手を喜ばせる楽しみを身に着けた方がよいぞ。PC相手なら、せいぜい1レベル上のノーマル1体にしておくがよい。なるべくクセのないものでな」
「もーっ、わかりましたよぉ」
「敵役は負けてこそであるぞ。相当に運悪くしてPC側が負けることもあるやもしれぬが……GMが率先して負かそうとしてはならぬのだ」
「はーい」(むー)
「当初は、PCを全滅させたらと気にしておったのに……対戦慣れさせすぎたのだろうか?」(ため息)
「(はっ)い、いえ、そんな、全滅だなんてっ!」
「いや、そなたの考え方は、明らかに全滅を引き起こすぞ。PCに勝つとはPCを全滅させることであろう」
「あわわわわわ、そ、そうでしょうかっ(汗汗)」
「うーむ、あぶなっかしいのう(汗)」
勝利に飢えたGM、新人魔王の明日はどっちだ!?
ちなみに、『でたとこサーガ』の世界を広げるサプリメント『でたとこフロンティア』が2015年7月末に発売予定です!
「あんしん魔王講座」の次回ともどもご期待ください!